28日後…
あらすじ
動物愛護活動家が医療科学研究所を襲撃した。研究員はチンパンジーが危険な感染症にかかっていると警告するが、活動家は耳を貸そうとせず、檻かチンパンジーを出してしまう。
感染症の正体は、感染すると数秒で脳に侵入して精神を司る部分を破壊し、「凶暴性」(レイジ)を剥き出しにしてしまうウイルスであった。研究所の襲撃により外部に流出したウイルスは瞬く間に蔓延、ロンドンはゴーストタウンと化した。ウイルスの感染拡大から28日後、メッセンジャーのジムは寂れた病院で昏睡状態から目を覚ます。変わり果てた風景に呆然としながら人気のない街をさまようジムは教会に入るが、そこで彼が目にしたものは自らに襲い掛かってくる感染者の姿だった…。
登場人物
ジム…メッセンジャーの青年。変わり果てたロンドンに絶望する。
セリーナ…28日間感染せず生き延びた女性。ジムを助ける。
マーク…セリーナと活動を共にする感染していない青年。
フランク…娘とマンションに潜む生存者。
ハンナ…フランクの娘。感染していない。
一言コメント:ゾンビとの戦いの結末は、絶望ばかりじゃない
感想(ネタバレ注意!)
いわゆる「ゾンビ映画」です。ゆっくり歩くんじゃなく走ったり追いかけてきたりします。
この映画のゾンビの怖いところは、よくある「ゾンビに噛まれたりしたら感染」じゃなく、怪我をしていなくても「ゾンビの血が一滴でも体に入ったら感染」なことです。
つまり、口の中にゾンビの血が入ったらアウトだし、鼻から吸い込んでもアウトです。
ゾンビを倒すにも注意をして倒さないと即自分もゾンビに、なんてこともあります。
事実、娘思いの良きパパだったフランクは、電柱にあった感染者の遺体から落ちた血が目に入ってしまい、感染してしまったのです。
そのフランクは、結局隠れていた兵士たちに銃殺されてしまうのですが。
前半はジムがセリーナ達に助けられたり、フランク・ハンナ親子と合流したりと生き残った人達がゾンビから逃げつつ安息の地を探すとというよくあるゾンビ映画なのですが、後半から話は急展開します。
屈強な兵士達に保護されたジム・セリーナ・ハンナ。
もう大丈夫と安堵する三人ですが、味方だと思っていた兵士達が狙ってたのは「女」、つまりはセリーナとハンナの二人だけでこの二人をレイプして繁殖しようぜ、となります。
当然ジムは反発しますが、兵士達にかなうはずもなく森の中にあっさり捨てられてしまうんですね。
問題はここからです。
今までは人間VSゾンビだったんですが、ここから人間VS人間(おまけでゾンビ)になります。
どこか気弱でセリーナにどやされる軟弱男だったジムが、兵士達の本拠地に捕らえられていたゾンビ兵士のおかげもあるといえど、屈強な兵士達に互角以上の奮闘を見せるんですね。
いくら二人を助けるという大義名分があるといえどちょっと変わり過ぎじゃないですか?
もちろん爽快感はありますが、違和感も強いですね。
この映画、ゾンビ映画となっていますが「人を殺し感染症をまき散らすゾンビよりも、本当に恐ろしいのは道徳観を無くした人間」が一番描きたかった事なんでしょうね。
正直、色々不満な所がある映画なんですよ。特に後半部分は。
ただ、あのラスト。
生き残ったジム・セリーナ・ハンナの三人が大草原で救出ヘリに助けられるというラストは希望に溢れていて本当に良くて、あれだけで不満部分が許せるほどでした。
ゾンビ映画って基本的に暗いというか、救いのないラストが多いんですけど
この映画はそれと真逆なのが印象的でしたね。
全体的には秀逸なゾンビ映画だったと思います。
個人的点数:70点
(あの爽やかなラストだけでも見る価値あり!)