エクトプラズム 怨霊の棲む家
あらすじ
1987年、コネチカットの町サジントン。
息子の癌治療のためにコネチカットの古い家に移り住むことになったキャンベル一家。
一見、魅力的なビクトリア朝式の家に入居してまもなく、彼らはその家の不気味な過去を知ることになる。
家の裏にある小さな墓地、地下室にある死体防腐処理室、そして不気味な死体の写真でいっぱいの引き出し。
そう、彼らが移り住んだのは、じつは数十年前に葬儀場として使われていた家だったのだ。
その事実が判明したのとほぼ同時に、一家は常識では説明できない超常現象を体験し始める。
奇妙な物音や気温の変化、正体不明の“人物”の出現……。
だが、彼らは自分たちが何を相手にしているのかを知らなかった…。
登場人物
マット…癌に侵されている
サラ…マット母親。息子を献身的に介護する
ピーター…マットの父親。仕事で忙しい
ウェンディ…マットのいとこ。幼いビリー達の面倒をみる
ビリー…マットの弟
メアリー…ウェンディの妹
ニコラス…マットが病院で出会った神父
一言コメント:どんなに辛くても、命を粗末にしてはダメ
感想(ネタバレ注意)
アメリカで実際に起こった事件を元にした映画のようですが、これが意外にもおもしろかったです。
引っ越した新しい家にはゴーストが憑りついていて、そのゴーストに家族が苦しめられるという話自体はよくある感じなんですが、そこに病気の息子という要素を入れた結果とても良い出来に仕上がった感じ。
マットは死期が近いから霊と繋がりやすいという納得の設定で、この家に憑いている少年の霊とリンクしちゃうんですが、この少年は降霊の霊媒として優秀な少年で相方の葬儀屋と共に降霊会をしていたが、最後の降霊会で参加者全員死亡という事件が起こるんです。
当然の展開で少年が全員殺したんじゃ→違いましたという流れが起きるんですが、実は一家に意地悪していたのは葬儀屋が霊媒の少年の能力を高めるためにお墓から掘り返してたいじくりまわしていた数々の遺体だったんですね。
自分の遺体がまだ発見されてないし供養もされてないって怒り狂ってたんです。少年はそれを止めようとしただけという。
その後が凄くて、全てを知ったマットは家から遺体を全て見つけてそれに火を放ち、自分もろとも燃やしちゃおうとしたんですよ。つまりは、自殺ですね。
母親は仕事と自分の介護に疲れているし父親は自分の病気のせいで別に住むことになった、いとこのウェンディは幼い弟達の世話に追われてる。
みんな、心のどこかでマット(自分)を疎ましく思ってるのを薄々感づいていた。
だからこその自殺という行動なんでしょうね。
この時のマット役のカイル・ガルナーの鬼気迫る演技は本当に素晴らしかったです。
しかしそんな命がけの供養も、母親のサラが自身を省みずに助けに来て阻止されてしまいます。
最初はマットの最期の願いなのだから、と思いましたが今はサラの行動は正しかったなと思います。
捨てていい命なんてこの世に一つもありません。
このラストの展開は衝撃的ですが、とても素晴らしかったです。
後はウェンディ演じるアマンダ・クルーもよかった。
幼い妹達の面倒をよくみて、また思い悩むマットの良き相談相手として上手く演じていたと思います。
ちょっとしたサービスショットもあるので、そこも注目ですね(笑)
本作はホラーと家族の絆が上手く融合された傑作だと思います。
ホラー好きなら見て損はないと断言できますね。
個人的点数:74点
(マット演じるカイル・ガルナーの名演技に注目!)