デビルクエスト
あらすじ
西暦1235年、フィラッハの町ではカトリック教会によって何の罪も無い多くの女性達が「魔女」の濡れ衣を着せられ次々と無残に処刑されていた。
処刑を執行する神父は「魔女」の死体が蘇らないよう古代の聖典「ソロモンの書」による祈祷を行っていた。
それからおよそ100年後、騎士ベイメンとフェルソンは、異教徒というだけで女や子供を含む無抵抗の市民まで殺戮する行為を「神の栄光である」と喧伝するグランドマスターと対立して騎士団を脱走、信仰を捨てる。
放浪の末に十数年ぶりにスティリアに戻ったベイメンとフェルソンは、この地でペストの流行により多くの死者が出ている事を知る。
脱走騎士である事がバレて逮捕されてしまった二人は、ダンブロワーズ枢機卿から放免と引き換えにペストの原因である「黒い魔女」をセヴラック修道院まで送る任務を依頼される。
「黒い魔女」として捕らえられていたのは儚げな少女であった…。
登場人物
ベイメン…十字軍の元騎士。戦争で罪なき女を殺したトラウマを持つ
フェルソン…十字軍の元騎士でベイメンの相棒
デベルザック…神父。少女が魔女だと信じて疑わない
エッカート…騎士隊長。妻と娘をペストで亡くす
カイ…手柄を立てて騎士になりたい青年
ハガマー…詐欺師。セヴラック修道院への道中案内人
少女…魔女の疑いをかけられている
一言コメント:原題を少しは尊重しようよ…
感想(ネタバレ注意)
邦題が悪い。
映画自体はニコラス・ケイジ主演の王道ゴシックホラーで、決してつまらなくはありません。
でも某有名ゲームを連想させる邦題の所為でどこかネタ臭が漂ってしまって、本当に邦題が悪い。
ストーリーはか弱い少女が本当に魔女なのか?と疑心暗鬼になりながらも、修道院に少女を送る旅をする男達の話です。
ちなみに、修道院についたら魔女関係なく少女は殺される事は確定してます。
エッカートは少女が本当に魔女か懐疑的で、デベルザック神父は魔女だと信じてやまないなどそれぞれ皆少女に対する考え方が違うんですが、当の少女がまたちょっと怪しげなんですよね。
相手の考えがわかってるような喋り方や立ち振る舞いなど、「コイツ怪しいな」という行動を取り続けるんです。
この手の話では、やっぱり少女は魔女じゃなかった!というのは定番中の定番なんですが、魔女じゃなくても明らかに怪しい。
そうこうしてる間に少女に好意的だったエッカートが娘の幻覚を見て死んだり、かと思えば少女を殺そうとしたハガマーが狼に襲われて死んだり、少女に不利な事も有利な事も起きるので見てる方としてはどっちなんだ?とワクワクしましたね。
ここら辺の演出と展開は王道ながらも凄く良かったです。
結局は少女は魔女じゃなくランクが上の悪魔に憑りつかれてたと判明するのですが、少女がエッカートやハガマーを殺した理由も「ソロモンの書があるセヴラック修道院に行きたい、だから自分を逃がしそうなエッカートや殺そうとしたハガマーを始末した」と筋が通ってて適当じゃなくて良かった。
ベイメン達と悪魔の最終決戦も、それなりに迫力ありましたね。
悪魔はペストで死んだセヴラック修道院の修道士達を操ってて凄い強そうだと思ってたのに、接近戦にあんま強くなさそうなのはちょっと期待外れでしたが。
もっと悪魔の派手な攻撃が見たかったですね。羽が刃物みたいになって飛ばせるとかそういう派手で強そうな攻撃も見たかったけど、さすがにそれじゃただの騎士のベイメン達に勝ち目なさすぎるから仕方ないのかな。
デベルザックが悪魔に首をポキッて折られてあっさり死んだのは笑ってしまいましたが。
あまりにあっけなさすぎて、もはやちょっとしたギャグみたいでした(笑)
ストーリーは王道で大きな不満はありませんが、ベイメンがハガマーが死んだあたりであっさり少女=魔女の考えになったのが気になりました。
ベイメンは少女に同情的でそれがこの仕事を受けた大きな理由であるのと、無抵抗の女を殺した事がトラウマという設定がせっかくあるのだから、明らかに怪しい少女だけどそれでも少女を信じたいという気持ちを捨てきれないベイメンの葛藤をセヴラック修道院につくまでは引っ張った方が良かったと思います。
その方が、見てる方ももしかしたら…?という考えを持ち続けられますし。
後はベイメン含めメンバーほとんど死んだのに、少女は当然としても最後に大仕事をしたとはいえ足手まとい気味だったカイだけがちゃっかり生き残ってたのはおもしろかった。
リーグオブレジェンドといい足手まとい気味の人間って何故か生存率高めなんですよね(笑)
周りがアイツ弱いからと気にかけ過ぎるのも大きいんでしょうか。
全体的に王道で正統派なゴシックホラーでけして悪くない映画なのに、本当に邦題の所為で…。
邦題の大事さを思い知らされる作品でした。
邦題はしっかり真剣に考えろ!
個人的点数:71点
(デベルザック神父の見事な死に様をぜひ見届けて!)