スケルトン・キー
あらすじ
看護士のキャロラインは、老婦人のヴァイオレットと脳梗塞で全く身動き出来ない夫のベンが住んでいる古い屋敷に住み込みで働くことになった。
その屋敷には鏡が一つもなく、至る所に魔よけのレンガ屑が撒いてある。
働き始めて間もなく、バイオレットから全ての部屋を開けられる合鍵を預かるキャロライン。
そしてある日、彼女はその鍵でも開けられない部屋を発見する。そこから、土地に伝わる古呪術“フードゥー”の存在と、昔この家で起こった惨劇を知らされるのだが…。
登場人物
キャロライン…看護士。父を看取れなかったことが心残り
ヴァイオレット…大きな屋敷にベンと二人で暮らす老婦人
ベン…ヴァイオレットの夫。寝たきり
ルーク…ヴァイオレット夫婦が雇っている弁護士
ジル…キャロラインの親友
一言コメント:信じる者は、救われない
感想(ネタバレ注意)
ケイト・ハドソン主演のサスペンスホラーです。
これね、意外とおもしろかった。
物静かで不気味な屋敷、どこか冷たい住人、怪しい部屋…。ホラーに必要な要素が揃ってましたね。
寝たきりのベンが2階から飛び降りても屋敷から逃げたそうにしたり、「HELP ME」なんてメッセージを書いたり、この屋敷と住人おかしいぞ、と視聴者に思わせといてのヴァイオレットの態度の軟化。
昔、雇われ使用人夫婦がご主人夫婦の子供に黒魔術を教えてたとして見世物のようにみんなの前で殺されて…、という屋敷の秘密をキャロラインに冷たかったヴァイオレットがあっさり教えてくれるんですが、これが伏線になってたのは見事でした。
正直私はこの時、ヴァイオレット意外といい奴なんじゃ…?と騙されてしまいました。
ヴァイオレットは当然として、ルークも怪しそうだなというのはこの手の映画好きはすぐに直感でわかると思うんですが、ルークのまさかの正体にビックリ。
ネタバレですが、みんなの前で殺された雇われ使用人夫婦が主人夫婦の子供→ヴァイオレットとベン→ルーク(済)とキャロライン(予定)と黒魔術の力で体を交換してずっと生きてきて、黒魔術や呪術は信じてない人には効かないから、信じていないキャロラインに信じさせるために、屋敷の秘密を話したり魔よけのレンガ屑を置いたりして黒魔術は実在するという雰囲気を作っていたという。
ベンの体に入っているのは本物のルークの魂。だから、屋敷から逃げようとしたり「HELP ME」なんてメッセージを書いていたんですね。
この映画の重要なキーポイント「黒魔術」と「呪術」。
これが曖昧に投げ出される事なく、都合の良い扱いをされる事もなく最後までストーリーに絡んでいたのも見事です。
最後のキャロラインVSヴァイオレット&ルークの戦いは衝撃の真実が続々判明してとてもおもしろかったんですが、両足を骨折したヴァイオレットがほふく前進しながらキャロラインに向かってくシーンは、ちょっと笑っちゃいました。
凄い執念…と視聴者に思わせたかったんでしょうけど、なんかマヌケな感じに見えました。女優さんの迫力ある演技はよかったんですけど。
最後まで見て、「え、これで終わり?」って思ってしまうくらい後味が悪い映画でもあるんですが、それを加味してもおもしろかった。
どこか怪しげな雰囲気、見事に張られた伏線、そして俳優陣の名演技。どれも本当に素晴らしかったです。
間違いなくオススメの作品です。
個人的点数:83点
(終盤の怒涛のどんでん返しに注目!)