善き人に悪魔は訪れる
あらすじ
殺人罪で刑務所に入れられたコリン・エヴァンスは、5年の服役の後、仮釈放申請を出したが、却下されてしまう。そして、コリンは役所から刑務所に帰る途中に護衛と運転手を銃で撃って脱走してしまう。
テリー・グランジャーは赤ん坊のサム、幼い娘のライアンとともにジョージア州アトランタで暮らしていた。夫のジェフリーとは最近上手くいっていないが、親友のメグに支えられて、楽しく生活していた。
そして、夫が不在の嵐の夜、ある男がテリーの家を訪ねてくる。
その男は事故を起こし、怪我を負っていた。
テリーはその男、コリンを家に招き入れてしまう…。
登場人物
テリー…元検事で現在主婦の二児の母。夫と最近上手くいっていないのが悩み
コリン…罪状は1人の人間への暴行だが、5人の女を殺した疑惑がある囚人。
メグ…テリーと強い絆で結ばれている親友。ライアンの名付け親
ライアン…テリーの娘。メグに懐く
ジェフリー…テリーの夫。仕事が忙しく家族と敬遠気味
一言コメント:製作陣はもっと真面目に作れ!
感想(ネタバレ注意)
「マイティ・ソー」や「リーピング」のベン役のイドリス・エルバ、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー賞ノミネートのタラジ・P・ヘンソン出演のスリラーです。
なんていうか、色々酷い。
ストーリー自体はなんてことない、よくあるスリラーなんですけど、細かいところが色々気になる映画です。
まず、一人の人間を殺し、5人の女の殺害疑惑もある凶悪犯であるコリンを輸送する時、二人しか見張りがいないのってどうなのよ?
うち一人は運転手だから実質一人でコリンを見張ってるわけですが、凶悪犯罪が多いアメリカでこんな事普通にありえるの?
私も詳しく知りませんが、アメドラだと刑務所内を連行する時も犯人の両側に必ず警官がくっついて逃げられないようにしていますが。
車で輸送なんて逃亡の機会が多そうなのに実質一人で見張りって、警察側の怠慢だと言われても仕方ないでしょ。
テリーも、コリンをあっさり家に入れ過ぎ。
幼い子供二人いて最大限に警戒しないといけないのに、いくら嵐の夜で怪我をしてるといってもコリンを簡単に信用しすぎでしょ。
凶悪犯が逃亡したのに、なんでテレビとかでその情報が流れてないの?
普通は周囲の住人に警戒してもらうために、凶悪犯が逃亡したらテレビで速報するもんじゃないの?日本ですら行われているのに。
コリンは女5人殺害疑惑の超凶悪犯なのに、なんで情報が流れてないのか。
いわゆる「ご都合主義」なんでしょうけど、メチャクチャ違和感です。
なにより、逃亡者のコリン自身が警戒心なさすぎ&弱すぎ
コリンを警戒してる状態のテリーに対して隙見せすぎで、そりゃテリーにボコボコに殴られるし刺されもするよ。
本当に5人も殺したの?あまりに弱すぎるでしょ。よくあの警戒心で短時間ですけど逃亡できたものです。
一度テリーを置いて外出しなければいけなくなった時、テリーの腕だけを縛っていくって、バカなの?
いくら焦っていたとはいえ、腕だけじゃ簡単に解けるに決まってるじゃん。
せめて足も縛るとか、テリーの腕を縛って一緒に連れていくとかしろよ。
いくらなんでもアホ過ぎてちょっとありえないです。
他にも色々気になるところはありましたが、とにかく細かい部分が色々雑なんですよ。
少しだけなら我慢できても、これだけ多いと酷いと思います。
もうちょっとなんとかならなかったんですかね。
ストーリーは、「テリーの夫の浮気相手がコリンの婚約者で、復讐のためにテリー一家に近づいた」という微妙などんでん返しもあったものの、なんとも盛り上がらず。
テリーとコリンの最終決戦も大したことなかったし、全体的にパッとしない映画という感じです。
唯一テリーの親友メグが明るく良い人で、コリンが「テリーと浮気してる」と嘘をついた時も「テリーが私に秘密を持つはずないから嘘つくな!」と言い切ったり、非常に好感が持てる人間で良かったです。亡くなるには惜しい人でした。
キャスト陣は悪くないながらも、全体的に酷い出来でパッとしない映画です。
製作陣に猛省してほしい、切にそう思いました。
個人的点数:38点
(好感が持てるテリーの親友メグに注目!)