わたしに会うまでの1600キロ
あらすじ
シェリル・ストレイドは離婚や母親の死、自らの自暴自棄な生活で負った心の傷を癒すために、数千マイルにもわたるパシフィック・クレスト・トレイルを一人で歩き通すことを決意した。
数々の問題に襲われながらもトレイルを歩き続けるシェリル。
彼女は、歩きながら母の死、離婚の原因などを思い出していく…。
登場人物
シェリル・ストレイド…トレイルを一人で歩く女性。
バーバラ・”ボビー”・グレイ …シェリルの母
ポール…シェリルの元夫
エイミー…シェリルの友人
一言コメント:お母さんに優しくしよう!
感想(ネタバレ注意)
リース・ウィザースプーン主演、実話を基にした映画です。
いや~おもしろかった!
面白くて逆にビックリしました。
正直、最初に元夫が出てきたくらいは「ま~た夫に裏切られて傷心の旅かよ」なんて思ってたんです。
そんなストーリー沢山あるし、元夫に恋人らしき人がいたし。
でも全然違ってて、屑なのは夫じゃなくて嫁のシェリルだった、というのでどんどん興味を惹かれていきました。
そもそも主人公が基本屑なんですよ。
母親を「私より頭悪い」とバカにしたり、「DV夫と離婚して貧乏。こんな人生の何がいいんだ!」とか言ったり。
そんな態度を取り続けたくせに、母が病気で死んだらショック受けて自暴自棄になって夫がいるのに浮気しまくりのヤク中になるし。
そのあげくに妊娠→中絶で自己嫌悪するし。
こんな過去が回想で時系列バラバラで語られるんですが、当然何コイツ…と思うじゃないですか。
しかもそれに反省せずにトレイルを歩いている時も色気づいて行きずりの男と寝ちゃったり。
お前少しは反省しろよ!と思うのですが、この屑さ加減が逆に良い(笑)。
シェリルのお母さんがまた良い人過ぎるんですよね。
娘に悪態つかれても笑顔だし、「つまらない人生」みたいに娘に言われても「あなた達が生まれたんだから、私は結婚を後悔してない」とか言ったり。
だからこそ、そんなお母さんが病気になった時「妻と母親としての人生に我慢できたのは、私の人生はまだ長いと思っていたから。でも、その人生がないなんて…」て泣くところは本当に切なかったです。
こんなお母さんを亡くしたんですから、シェリルが落ち込むのは当然ですよね。
もう少し禁欲生活続けろよとは思うけど!
そして、なんといってもトレイルを歩き続けるシェリルのその風景と人々との交流がいいですね。
たまたま出会った人はいかつい見た目で警戒していたけど実はいい人だったり、女性トレイラーと交流したり、シェリルにアドバイスをしてくれる人がいたり。
出会った人達との交流をえて少しずつ癒されていくシェリルの思い。
綺麗な風景と合わせて、「人っていいな、旅っていいな」と思わせてくれます。
途中で出会った親切な男トレイラーがあっさり途中でやめてたのは笑ったけど(笑)
自暴自棄になるシェリルを励まし「ゴールの連絡しか受け付けない」とハッパをかける友人エイミー、急にシェリルにすり寄るポールなど、シェリルの周りのいる人達の優しさもいいですね。
正直あまり期待せずに見たんですけど、とてもおもしろくて何だか逆に癒されました。
こんな素晴らしい演技をしたリース・ウィザースプーンがオスカーを取れなかったことに、逆に驚きです。
見てて旅をしたくなる、そんな作品です。癒されたいという人には間違いなくおススメです。
個人的点数:84点
(トレイラ―として少しずつ成長していくシェリルに注目!)
▽原作小説