アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
あらすじ
3年に渡る航海を終えたアリスは、ロンドンに帰国した。
しかし、アリスを待っていたのは、元婚約者のヘイミッシュに自宅を売り渡した母親と、ヘイミッシュの「父の形見ワンダー号を譲れば自宅を返す」という言葉だった。
この事に反発したアリスは、蝶になったアブソレムからマッドハッターが危機的状況にある事を告げられる。
友人のマッドハッターを心配したアリスは、再びワンダーランドへ足を踏み入れるのだった。
登場人物
アリス…ワンダー号を明け渡したくないが自宅も譲りたくないと悩む
マッドハッター…帽子屋。家族が生きているのではと思い悩む
赤の女王…アリスと白の女王に恨みを抱く頭でっかち
白の女王…赤の女王の妹でワンダーランドの女王
タイム…時を司る番人
一言コメント:姉妹仲良くね!
感想(ネタバレ注意)
「アリス・イン・ワンダーランド」の続編です。
前作はワンダーランドの「現在」の物語でしたが、今作は「過去」、マッドハッターや赤の女王と白の女王の過去に焦点があてられたストーリーになっています。
結論から言いますと、私は前作よりも好きです。
本作の何が良かったかって、アリスが相変わらず地味だった事。
アリスは本作の主役ですし、基本的にアリスがタイムループを使って過去の世界に行き過去の出来事を変えていくというのが繰り返されます。
しかし、アリス自身は基本的に地味というか傍観者の立ち位置に見えるんですよね。
本作はマッドハッターや赤の女王・白の女王の過去が描かれていて、なぜマッドハッターの家族は亡くなったのか、赤の女王がなぜあのような性格になったのかが描かれています。
そして主役のアリスはというと、目立ちすぎず地味になり過ぎずという絶妙な存在だと感じました。
一応、アリス自身にもストーリーはあったんですよ。
母親との関係や船を売る売らない問題とかあったんですけど、そんなに目立たず。
前作と同じように、活躍はするもののマッドハッターや赤・白の女王の存在感を消さない主役に感じました。
そして、前作の感想で私が地味だと思った白の女王。
本作を見て、良い意味で見直しました。
前作での白の女王はなんかおとぎの世界のお姫様みたいで現実味が感じられなかったんですが、本作で「過去に親に止められていたお菓子を隠れて食べ、その罪を赤の女王に押し付けていた」という過去がわかってから、一気に好感を持ちました。
なんだ、白の女王も普通の女の子だったんじゃんって
そして、私が前作で大好きだった赤の女王ですが、今作を見てもやっぱり好きだなあと。
だって、妹に濡れ衣を着せられた結果、頭を怪我してあんな見た目になったのに、その頭に冠が入らないからと国民が笑いものにしたから激怒したら、親に王位継承権をはく奪されちゃうって。
やっぱりかわいそうすぎるよね(笑)
白の女王が過去について謝った後、「その言葉が聞きたかった」と答えた赤の女王は、やっぱりかわいいなと思いました。
あまり触れていないけど、マッドハッターの家族関係も良かったですよ!
ただ、ジョニデの若い青年役は、いくら特殊メイクをしていても少し無理ないか?と思いましたが(笑)。
全体的に良かった本作ですが、一つだけ気になった事が。
途中で「過去は変えられない」みたいになった後、最後に母親とヘイミッシュの家売買の現場に乱入して、結果的に売買をやめさせたのは、思いっきり過去を変えていると思うんだけど、それはいいのかな?
母親が決断した事だからOKって事なのかな?
その辺の曖昧さが少しだけ気になりました。
それ以外は、普通に面白い映画だったと思います。
※前作の感想はこちら
個人的点数:78点
(赤の女王の悲しい過去に注目!)