フォレスト・ガンプ/一期一会
あらすじ
アラバマ州に住むフォレスト・ガンプは、足の矯正器を付けた知能指数の低い少年だった。
母親はフォレストを普通の子供と同じように育てたいと考え、公立の小学校に入学させる。その頃にフォレストはジェニーという女の子と知り合い唯一の友達になる。
小学校でいじめの標的にされるが、あるとき無我夢中で逃げるときに矯正器なしで走ることができ、そして俊足を発揮するようになった…。
登場人物
フォレスト・ガンプ…知能指数が低いが、足が速く優しい心を持つ
ジェニー…フォレストの初めての友達
ダン中尉…陸軍時代のフォレストの上司
バッバ…陸軍で出会ったフォレストの親友
ミセス・ガンプ…女手一つでフォレストを育てる母。フォレストの可能性を信じている
一言コメント:人生いろいろ、愛もいろいろ
感想(ネタバレ注意)
作品賞や主演男優賞など、数々のアカデミー賞を獲得して高い評価を受けている作品です。
見た後一番の感想としては、これはアカデミー賞を多数獲るわけだと納得です。
フォレスト演じるトム・ハンクスの回想で映画は始まるわけなんですが。
この映画はフォレストの今までの人生を描いたというよりも、フォレストとジェニー、そしてダン中尉3人の人生を描いた作品なんじゃないかと。
それほど、この3人の人生は対照的なんですね。
フォレストの人生の初めは不幸です。
学校入学を拒否されるほどの知能指数で矯正器がなければ歩くこともできません。
学校に通う事になってもイジメにあいました。そんな中で出会ったジェニーはフォレストにとっては唯一の、そして絶対的な存在になります。
しかし、矯正器のおかげで知らずに足が鍛えられていたフォレストは超人的な脚力を身につけ、その脚力を見初められてアメフトにスカウト。
そこからトントン拍子で幸運が舞い込み、最終的に億万長者になります。
逆にジェニーは人生の最初から不幸です。
父親に虐待されて親戚に引き取られ、大学に入学して歌手になる夢を持つも、大学退学に追い込まれて寂れた劇場で歌う日々。
その後も反戦活動をしたり、ヤク中になったりとフォレストが成り上がるのと反比例するかのように落ちぶれていきます。
そして、フォレストの上司だったダン中尉。
兵士として戦場で名誉ある死をすることが出来ず、両足切断という不幸にあいます。
自分を助けたフォレストを責め立て、人生もどん底に。
しかしフォレストと共に始めたエビ漁を成功させ、結婚相手も見つけ、幸福が訪れます。
不幸から這い上がったフォレスト、どん底を突っ走るジェニー、希望を持った兵士時代→両足なくしどん底→這い上がると波のある人生のダン中尉。
この3人の人生が描かれているのが本作なのかなと。
この映画って「愛の映画」じゃないかなと思うんですよね。
知能が低かろうと、矯正器なしで歩けなかろうと息子フォレストの可能性を信じ、最後まで支え続けてくれた「母の愛」、親友を戦争で亡くすも彼との約束を果たして会社を設立したフォレストの「友愛」、そして幼馴染で初めての友達のジェニーがどうなろうと最後まで想い続け、愛し続けたフォレストの「無償の愛」、そんなフォレストの愛に気づいていながらも答えることが出来ないジェニーの「愛」。
沢山の愛が素敵に表現された素晴らしい映画だと思います。
正直、映画を見ててご都合主義的な要素が多い映画じゃないかと思うこともあるんですよ。
卓球にはまったらそれが転じて世界大会に出て有名人になったり、エビ漁を始めたら運よくハリケーンに巻き込まれずにすんだり、やることなすことが全て幸運に繋がるフォレストはどんだけ強運の持ち主なんだよと思うし、そんな全てを手に入れたフォレストが一途にジェニーを思い続けるのも現実としてありえるのか?とか。
1回関係しただけで運よく子供が出来るもんなの?とか。そもそもなんでジェニーは自らフォレストの元へ訪れたのに、また去ったの?とか。
色々言いたいことはあるんですよ。
でも、その疑問点を帳消しにするくらいストーリー全般がよかったです。
「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」
これ、ほんとその通りだよなあ。名セリフとして絶賛されるのも納得です。
俳優陣の演技も素晴らしく、ストーリーもいい、アカデミー賞を多数受賞するのも納得の名作です。間違いなくオススメですよ。
個人的点数:86点