赤ずきん
あらすじ
小さな村の美しい娘ヴァレリーは、木こりのピーターと愛し合っていたが、母親が鍛冶屋のヘンリーを婚約者に決めてしまう。
そんな村に、久しぶりにオオカミが現れ、ヴァレリーの姉ルーシーが犠牲になる。オーガスト神父の反対をよそに、自警団が組織され、見事オオカミを退治するが、ヘンリーの父親が第2の犠牲者になってしまう。
翌日、魔物ハンターとして知られるソロモン神父の一行が村に到着し、村人たちに意外な事実を知らせる。
犯人はオオカミではなく、村人にまぎれて暮らしている人狼の仕業だというのだ。
果たして、赤い月夜の晩、どこからともなく人狼が現れ、またまた犠牲者がでてしまう。
人狼の正体について村人たちが疑心暗鬼になる中、ヴァレリーは恋人ピーターや婚約者ヘンリーにも疑いの目を向けるようになる…。
登場人物
ヴァレリー…村に住む美しい少女
ピーター…ヴァレリーの幼なじみで恋人
スゼット…ヴァレリーの母親。色々秘密持ち
おばあちゃん…ヴァレリーの祖母でセザールの母
ソロモン神父…魔物ハンター。人狼だった嫁を殺した
一言コメント:子供は親を選べない
感想(ネタバレ注意)
童話の「赤ずきん」を基にした映画です。
「ジャックと天空の巨人」が王道ファンタジーだとしたら、こちらはダークファンタジー風味に仕上がっていました。
ストーリーは、赤ずきんを基本にしつつも恋愛要素が強めでしたね。
ヴァレリーの姉→ヘンリー→ヴァレリー→←ピーターという四角関係がベースに親も巻き込んでごちゃごちゃやってました。
人狼は村の人間の誰か→ヴァレリーに執着してるからヴァレリーに関わりがある人間だ!という展開はよかったですね。
ヘンリーもピーターもおばあちゃんも明らかに怪しく描写されてるんですよ。
見てる方もどうせおばあちゃんだろうなと思いつつも、怪しい描写が上手いのでもしかして他の人間かも?と疑ってしまいました。
そして、人狼はまさかのヴァレリーの父親!これはわざと裏をかいたのか?
まあ優しげなあのおばあちゃんが人狼だったらそれはそれで嫌ですけど。
人狼が童話と違うのはいいんですけど、その動機がなんだかなあという感じ。
人狼だった父親は娘二人を連れて街に移住しようと手始めに長女に噛みついて人狼にしようとしたら長女が自分の子じゃない事に気づいて殺す、腹が立ったから長女の実父のヘンリーの父親殺して嫁のスザット襲ったって自分勝手すぎる。
ヘンリーの父親とスザットはまだしも、長女はバカ母の被害者なのに。おばあちゃんもあんなにいい人だったのに。
子供達は基本的にいい子揃いなのに大人連中が屑過ぎますね。
ソロモン神父もアレだったし。
ラストはまあ無難というか、ピーターが人狼になった以上はそうするしかないよなという感じ。
スザットは旦那も養母も事実上娘二人も全部失ってしまったけど、それが長女の秘密を隠してた罰になるのかな。
原作は赤ずきんが悔いて反省するのに、この映画ではその役割が赤ずきんの母親になったって事なんでしょうか。。
ストーリーはそこそこでしたけど、映像はとにかく綺麗でした。
森や雪などが本当に美しくて、繊細で幻想的な雰囲気を醸し出していました。
後は、ヴァレリー演じるアマンダ・サイフリッドは演技は上手かったけど赤ずきんというと?という感じ。
個人的なイメージですが、赤ずきんは天真爛漫や可憐なイメージなので。
アマンダは可憐というよりも気が強いイメージが強くて、ちょっと赤ずきんとはイメージが違ったかな。演技は上手かったけど。
全体としては、童話の「赤ずきん」を上手く料理できた佳作だったのではないでしょうか。
ホラーやサスペンス要素も強いので、そちらが好きな人にもオススメです。
個人的点数:65点
(幻想的な美しい風景は、一見の価値あり!)