遠い空の向こうに
あらすじ
1957年10月5日。ウェスト・ヴァージニア州の炭鉱町コールウッド。米国民にショックを与えたこの夜、ソ連の人工衛星スプートニクを見た高校生ホーマーは自分でロケットを打ち上げようという夢を抱く。彼は悪友のロイ・リーとオデル)、そして級友で数学の奇才だが嫌われ者のクエンティンを仲間に引き入れて《ロケット・ボーイズ》を結成。だが、ロケットは何度改良を加えても失敗が続く。昔ながらの炭鉱夫で周囲の信頼も厚い炭鉱の責任者である父のジョンはホーマーの行動が理解できず、父子は激しく対立する。
それでもホーマーはロケット作りを続けるが…。
登場人物
ホーマー・ヒッカム…主人公。ロケットを打ち上げたいという夢を持つ。
ロイ・リー…ホーマーのロケット作りを手伝う友人。
オデル…ホーマーのロケット作りを手伝い友人2。
クエンティン…数学の天才でロケット作りを手伝う。
ジョン・ヒッカム…ホーマーの父。ホーマーの夢に否定的。
ミス・ライリー…ホーマーのクラスの担任。ホーマーの夢を信じる。
一言コメント:夢は見るものじゃなく、叶えるもの
感想(ネタバレ注意!)
主軸はロケット研究に情熱を捧げる少年達の夢の物語なんですが、そこに主人公と父親との確執や絆、ささやかな恋愛要素を入れる事で見事な青春映画になっていました。
ロケット作りは何度も失敗をするんですがそれに全くめげないホーマー達は見ていて微笑ましかったですし、途中父親が怪我をして働くことが出来なくなり、代わりにホーマーが炭鉱夫にならざるを得なくなりホーマーが夢を追えなくなる状況に追い込まれた時はみてて辛かったです。
父親のジョンはロケット作りなんて早く止めて自分の後を継げと思っているんです。
ホーマーはそれを理解し、そしてそんな父親を愛しつつも夢を捨てられない。
打ち上げられたロケットを見上げながら自分はエレベーターに乗って地下に降りていくホーマーのシーンは本当に切なかったです。
また、周りの人達も本当によかった。
衝突する夫と息子の間で二人を上手く取り持ちつつも、息子の夢を信じ続けるホーマーの母親と、周りからバカにされていた頃からホーマーの夢や決意を信じ、支え続けてくれたライリー先生。
特にライリー先生は本当に素晴らしくて、自分の学生時代にこんな先生がいたらなあと思ってしまうほどでした。
大会で見事優勝し、奨学金で大学に行くという夢を叶えたホーマー。
息子の夢を否定し続けた父親の前で言います。「僕のヒーローはアナタだ」と。
そして、父が、兄が、母が、町の皆が、病室のライリー先生が見ている前でロケットを大空に飛ばすホーマー。
どこまでも高く飛んでいくそのロケットは、大きな夢に向かって歩き出したホーマーの明るい前途を表しているようでした。
この映画は実話なんです。
ホーマーは実際にこの後、夢を叶えてNASAの技術者になります。
だからこそ、余計に感動してしまうかもしれませんね。
この映画は夢を諦めない気持ち、追い続ける事の素晴らしさを教えてくれます。
若い人も、夢なんて忘れてしまった年配の人にもぜひ見てほしいおすすめの映画です。
個人的点数:93点
(観た後の爽やかな余韻は素晴らしい!)
余談ですが、原題のOctober SkyはRocket Boysのアナグラムになっています。
原題も素晴らしいですが、私はこの邦題の方が好きですね。