ヘイトフル・エイト
あらすじ
その馬車には賞金稼ぎジョン・ルースと、彼に捕まった賞金首のデイジー・ドメルグが乗っていた。
レッドロックまで走る途中、馬車は二人の客人を乗せる。
一人は賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン、彼は黒人で元北軍少佐、ジョンの顔見知りでもあった。
もう一人は自称レッドロックの新任保安官のマニックス。
4人を乗せた馬車は猛吹雪の影響で、道中にある「ミニーの紳士服飾店」でやり過ごす事になり…。
登場人物
ウォーレン…元北軍少佐で黒人の賞金稼ぎ
ルース…賞金稼ぎ。生きたまま賞金首を渡す「首吊り人」の異名を持つ
デイジー…1万ドルの賞金首
マニックス…自称レッドロックの新任保安官。黒人差別者
モブレー…紳士なイギリス人。自称巡回執行人。
ゲージ…カウボーイ。実家に帰る途中だと言うが…
ボブ…ミニーの紳士服飾店で働く
スミザーズ…元・南軍将軍。黒人差別者
一言コメント:とにかく本編が長すぎる!
感想(ネタバレ注意)
本作は、あのクエンティン・タランティーノが監督を務めています。
たまたま泊まった小屋に集まった人間、この中には賞金首のデイジーの仲間が紛れ込んでいて、彼女を逃がそうとして…という映画なのですが。
本作を一言で表すなら「この映画、悪人しかいない」です。
まるで某監督の〇〇〇エイジのような感じになっています。
ネタバレになると、モブレーとゲージとボブがデイジーの仲間なのですが、かといって
ウォーレンやルースが善人というわけでもなく。
ルースは女相手でも関係なく殴りまくるDV野郎だし、ウォーレンはおぞましすぎる行為を告白する屑野郎です。
タイトルの通り8人の悪人が主人公になっていて、登場人物紹介を見ればわかりますが、全員何かしらの裏の顔を持つ人間が集まっています。
そんなわけで誰にも感情移入できるわけもなく(笑)、とにかく淡々と見ていました。
内容としては、人種差別や戦争の酷さ、女性に対する扱いなど、いわゆるメッセージ性が強いかなという感じですが、とにかく残虐描写が凄い。
女を殴るのは当たり前だし、何の躊躇もなく人を銃で撃ったり、人の腕を〇したりなど、思わず目を背けたくなる描写がこれでもかというほど出てきます。
特にウォーレンの告白は酷くて、アレは初めて早送りしたいと思ったほど。
ちゃんと見ましたけどね。
年齢制限を受けるのも納得の内容でした。
全体としては、まあ面白かったかなという感じです。
残虐な描写が多かったんですけど、それら全てが人種差別の行きつく果てというか、過去のアメリカの負の部分って感じがして、それを隠すことなく素直に見せているのは良かったですね。
けして美化していなかったので。
ただ、映画全体が長いのが少し気になりました。
本作は全6章になっているんですが、本編だけで3時間近くありました。
その間、小屋につくまでに30分はかかっているし、ルースが死ぬまでは2時間近くかかってたんじゃないかな?とにかく長かった。
あまりにも短すぎるのもアレだけど、本作は長すぎて途中で集中力が無くなってしまう事もしばしば。
内容が内容だけに、ずっと見続けると神経がすり減った感じがしました。
勿論、全体を見れば3時間全てが意味があるものだとわかるんですが、それでも少しは減らせなかったのかな…と思ったり。
ちなみに、ラストは実質8人全員死亡という後味が悪いまま終わるんですが、そのラストの展開は、少し皮肉が効いていて私は好きですね。
人は死の間際になると、なんで急に心穏やかになるんでしょう(笑)。
このラストの終わり方は、ぜひ見てほしいですね。
タランティーノ節炸裂!ですよ。
個人的点数:69点
(デイジーの弟を演じる意外な人物に注目!)